定番ふくい郷食ダイアリー
懐かしい風景がここに!
寒の時期につくる「かきもち」。
毎月、未来に残したい福井の郷土料理を紹介していますが、3月号は「かきもち」です。県内のあちこちで作られているおやつですが、地域によって製造方法や味が異なります。それでもとりわけ平泉寺で作られるものは昔ながらの製法を守っています。
明治時代の古民家で作られる「平泉寺のかきもち」。1月に入ると地元のお年寄りたちが集まり、かきもちづくりに精を出します。熟練の技で、次々とかきもちを編んでいく様子は、まるで昔にタイムスリップしたかのよう。かつての暮らしぶりが想像できます。
冷たい風が吹き込む古民家の部屋にずらりと干されたかきもち。学校から帰ると囲炉裏で焼いて食べていたそうで、一年を通じて子どもたちのおやつとして食べられていた、馴染み深いおやつなんですね。
ウララ本誌では、冬に作られる理由なども取材しています。また、旧美山町でもかきもち作りは行なわれており、今なお各家庭で作られているそうです。そんな話もご紹介していますのでぜひご覧ください。
(月刊ウララ編集部・田中弘)