[テイクアウト/洋菓子・ケーキ][福井エリア/北部]
昆布屋孫兵衛
お店の情報☏ 0776-22-0612
創業240年、その先を築く気鋭の菓子職人。
2023年6月2日、福井市の老舗和菓子店『昆布屋孫兵衛』が長い休業を経て再始動した。大きな庇が目をひく新店舗では、17代目の昆布智成さんが菓子づくりに励む。和の雰囲気をまとったモダンな店内にはシンプルなロングカウンターが据えられ、いちご餅やどら焼きなどの和菓子の販売のほか、5席のイートインスペースで皿盛りのデザート「アシェットデセール」を振る舞う。納得できる食材が揃い次第、持ち帰り用の洋菓子も提供する予定だ。今はまだ手探りの状態だと言うが、店の建て替えや食材探しの過程で福井の誇れるものづくりに触れたことから、越前漆器や越前和紙などの伝統工芸とのコラボレーションにも意欲を見せる。創業240年の歴史を受け継ぎ、伝統と革新の融合に挑む、昆布屋孫兵衛17代目の動きに注目が集まる。

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昆布屋孫兵衛17代目店主 昆布智成

『オーボン・ヴュータン』『ピエール・エルメ サロン・ド・テ』でフランス菓子の基礎を学び、パリでは2つ星レストラン『L’Atelier de Joël Robuchon』で腕を磨く。2019年に東京・南青山『アングラン』のシェフパティシエに就任。小さな菓子に技術と感性を詰め込む「ミニャルディーズ」で人々を魅了した。2023年に帰福し、実家の『昆布屋孫兵衛』を承継。
より難しくて挑み甲斐のある環境へ。
10代の頃から店は継がないと決めていた智成さんだが、独立を考えるなかで、ある人に言われた「歴史はお金では買えない」という言葉の意味を考えるようになったという。「自分のお菓子が東京で受け入れられていくのは楽しかったですし、業界の第一線を走る充実感もありました。だけど、より難しくて挑み甲斐のある環境はどこにあるのか見渡したとき、その場所が福井にあった。僕は和菓子屋は継げないけれど、菓子屋は継げる。それなら歴史をつなぎながら、どこにもない形の菓子屋を作ってみようと思いました」。