第二特集新栄の人々
奇跡のようなV字回復、
「新栄商店街」。
今から30年ほど前、福井でどこよりも栄えていて、言うなれば文化の発信拠点でもあった「新栄商店街」。もともと闇市だった土地柄もあってか、進取の気性があり、独立性が高いDNAが残っている感じがあります。
10年前までは全国にあるようなシャッター商店街のような状況に置かれていて、周囲の人に聞いても「知らない」という答えが多かったのを覚えています。中央1丁目という住所にも関わらず、それくらい誰も来ない、誰もいない、そんな街でした。でも、この場所の雰囲気が好きだという人たちが集まり始め、使えるお店のシャッターはほぼほぼ開いたという、奇跡のようなV字回復を見せています。
このV字回復の理由を突き詰めていくと、“人のチカラ”という答えにたどり着きました。お店をやっている人たちだけのチカラではなく、地主さん、家主さんの進取の気性があるように感じます。“良いお店”の条件には立地や味もありますが、人を惹きつける一番の理由は“人のチカラ”。コロナ禍で多くの人が感じ取った「人は人に会いたい、つながりたい」という潜在欲求が、新栄商店街で形になっていると思います。
そんな“会いたくなる人たち”を取材した特集記事を、9月号から2号にわたって「新栄の人々」として紹介します。ぜひ会いに行ってみてください。新しい世界、新しい文化、ここでしか感じられない空気に触れてみてください。
(月刊ウララ編集部・宮田)